- 01訴状には当事者、請求の趣旨、請求の原因、証拠書類を必ず記載します。
- 02手数料(収入印紙)と予納郵便切手は、裁判所の案内に従って納めます。
- 03署名は自筆で行い、記載漏れがあると補正を求められます。
「少額訴訟を自分で起こしたいけど、訴状に何を書けばいいのか分からない」――そんな方のために、簡易裁判所が訴状に求める項目と、その理由を解説します。訴額60万円以下の金銭請求なら、少額訴訟を選べます。原則1回の期日で審理される手続きです(民事訴訟法第368条・第375条)。
まず、訴状の形式を整えましょう。用紙はA4、余白は上下左右2.5cm、文字は12ポイントの明朝体、行間は1.5倍です。段落には「1.」から通し番号を付けます。この形式は、裁判所が内容を読みやすくするための決まりです。
当事者の欄:誰が誰を訴えるのか
訴状の最初に、原告(あなた)と被告(相手)の氏名、住所、連絡先を書きます。当事者目録を別紙で作ることもあります。ここで重要なのは、被告を特定できることです。住所が不正確だと、裁判所から被告に書類を送る「送達」ができません。送達できないと手続きが進まないため、補正を求められます。
連絡先(電話番号やメールアドレス)もあれば記載します。これは裁判所が期日や補正について連絡を取るための手段です。記載がないと、連絡が遅れる可能性があります。
請求の趣旨:何をいくら求めるか
「被告は原告に金◯◯円を支払え」――これが請求の趣旨です。求める結論を具体的に書きます。金額は円で表示し、何の請求なのかを明確にします。ここが曖昧だと、裁判所は何を判断すればいいのか分かりません。例えば「被告は原告に金10万円を支払え」のように、金額を特定します。
請求の趣旨が不明確な訴状は、補正の対象になります。何をいくら求めているのかが読み取れないと、裁判所が受理できません。
請求の原因:事実を日付順に書く
請求の原因では、お金を請求するに至った事実の経過を、日付順に書きます。1つの事実につき1段落、段落番号を付けます。例えば「令和6年5月1日、被告に金10万円を貸し付けた」のように、出来事をそのまま記載します。法律的な評価は不要です。
日付は、事実の順序と期間の計算の基礎になります。また、金額の計算根拠もここで示します。例えば「令和6年6月1日、被告から金2万円の返済を受けた。残額は金8万円である」という具合です。
やり取りの経過:交渉の記録
提訴する前に、相手と連絡を取った経過があれば、それも書きます。連絡のたびに1段落とし、相手方、日付、手段(書面・電話・メール・訪問)、結果を記載します。例えば「令和6年7月1日、被告に書面で返済を請求した。被告から回答はなかった」のようにです。
これは、裁判所が事件の背景を理解するための材料です。交渉がどう進んだかを示すことで、請求の経緯が明確になります。
証拠書類と添付書類目録
証拠書類は、請求を裏付ける書類です。契約書、領収書、振込明細などが該当します。各書類には、名称、日付、入手先を記載します。そして、添付書類に1から通し番号を付け、添付書類目録を作ります。本文の記載と番号が一致していることが重要です。
番号が不一致だと、補正を求められます。例えば本文で「証拠1」と書いたのに、目録では「証拠2」になっていると、裁判所が混乱します。
手数料と予納郵便切手
訴状を提出する際には、手数料を収入印紙で納めます。また、予納郵便切手を添えます。手数料の額は訴額によって異なり、裁判所の案内で確認してください。不足があると、補正を求められ、納付するまで受理されません。
予納郵便切手の額も、裁判所の案内に従います。これは、被告への送達などに使う郵便料金を前払いするためのものです。
署名と提出先
訴状には、提出者の署名が必要です。署名欄には自筆で署名します。氏名を印字するのではなく、必ず自筆で書いてください。署名がないと、受理されません。
提出先は、被告の住所地などを管轄する簡易裁判所です。管轄を間違えると、補正を求められます。訴状の提出先の裁判所名を正式名称で書きます。事件番号は、提訴後に裁判所から通知されるまで空欄にしておきます。
補正を避けるためのチェックリスト
- 当事者の氏名・住所が特定できるか
- 請求の趣旨で金額が明確か
- 請求の原因に日付があるか
- 証拠書類の番号と目録が一致するか
- 収入印紙の額が正しいか
- 署名が自筆であるか
このリストを確認すれば、記載漏れによる補正を減らせます。ただし、規則は変わることがあるため、提出前に裁判所の窓口で最新の案内を確認してください。
まとめ
少額訴訟の訴状は、裁判所が求める項目を正確に埋めることが大切です。当事者、請求の趣旨、請求の原因、証拠書類、手数料、署名――これらを揃えれば、手続きはスムーズに進みます。
詳しい手続きは、少額訴訟の手続きガイドや裁判所の公式案内を参照してください。また、訴状作成の準備フローも役立ちます。
提出前に書式を確認する
お住まいの地域の裁判所が求めるものと、準備済みパッケージの内容を確認できます。
よくある質問
訴状に電話番号を書く必要はありますか?
電話番号は任意ですが、裁判所が連絡を取るために役立ちます。記載がないと、連絡が遅れる可能性があります。
収入印紙の額が分かりません。
手数料の額は訴額によって異なります。裁判所の窓口や公式サイトで確認してください。不足があると補正を求められます。
証拠書類の番号を間違えました。
番号の不一致は補正の対象になります。本文の記載と添付書類目録の番号を必ず一致させてください。
訴状に署名を忘れました。
署名がないと受理されません。必ず自筆で署名欄に署名してください。印字では受理されません。
公式情報
- 民事訴訟法 (Civil Procedure Act), articles 133, 368 and 375 2026-10-19
- 民事訴訟規則 (Civil Procedure Rules), article 53 (particulars of a complaint) 2026-10-19
- 裁判所法 (Court Act), articles 33 and 74 (language used in court) 2026-10-19
- 民事訴訟費用法 (Civil Procedure Costs Act): revenue stamps and prepaid postage stamps 2026-10-19
裁判所の手続きに関する一般的な情報です。法的助言ではなく、弁護士と依頼者の関係を生じるものではありません。規則は変わります。提出前に裁判所の最新の案内を確認してください。