- 01少額訴訟は60万円以下、通常の民事事件は140万円以下が簡易裁判所の対象。
- 02訴状には当事者目録、請求の趣旨、請求の原因、証拠書類、添付書類目録が必要。
- 03手数料不足や署名漏れは補正の対象。裁判所の案内で最新の手続きを確認。
あなたの請求はどちらの道で進む?
「簡易裁判所に訴状を出したい」と考えたとき、まず確認したいのは、あなたの請求額が60万円以下か、それとも140万円以下かという点です。簡易裁判所には、少額訴訟と通常の民事事件という2つの手続きがあります。少額訴訟は訴額60万円以下の金銭請求を対象とし、原則として1回の期日で審理されます(民事訴訟法第368条・第375条)。一方、通常の民事事件は、簡易裁判所の事物管轄である訴額140万円以下の請求であれば利用でき、少額訴訟を使わない場合はこちらで進めます(裁判所法第33条)。
どちらの手続きでも、あなた自身が訴状を書いて提出できます。弁護士に依頼するかどうかはあなたの判断ですが、この記事では、訴状に何を書けばよいのか、どの書類を添えるのかを、手続き別に整理します。
訴状の基本構成は共通、でも書き方が違う
少額訴訟と通常の民事事件の訴状は、どちらもA4用紙、余白2.5cm、12ポイントの明朝体、1.5行間で作成します。段落は1.から通し番号を付けます。記載すべき項目は、当事者目録、請求の趣旨、請求の原因、証拠書類、添付書類目録です。
ただし、少額訴訟の訴状では、請求の原因に事実の経過を簡潔にまとめ、1回の期日で審理できるようにします。通常の民事事件では、請求の原因に事実の経過を日付順に詳しく記載し、法律上の評価を加えずに出来事として書きます。どちらも、あなたが請求する結論(例:「被告は原告に金◯◯円を支払え」)を、請求の趣旨に具体的に書く必要があります。
手続きの違い:少額訴訟と通常の民事事件
少額訴訟は、訴額60万円以下の金銭請求に限られます。あなたの請求がこれに当てはまるなら、原則として1回の期日で審理されるので、時間と手間を節約できます。ただし、この手続きを選ぶかどうかは、あなたが決めます。少額訴訟を使わずに、通常の民事事件として進めることも可能です。
通常の民事事件は、訴額140万円以下の請求であれば簡易裁判所に提起できます。少額訴訟より審理に時間がかかる可能性がありますが、より複雑な事実関係を丁寧に説明したい場合には向いています。どちらの手続きでも、あなたが原告となり、被告を特定して訴状を提出します。
訴状に必要な書類と手続きの流れ
訴状を提出するときは、以下の書類を準備します。
- 訴状の原本(当事者、請求の趣旨、請求の原因を記載し、署名欄に自筆で署名)
- 訴状の写し(被告の人数分と、裁判所のための1通)
- 当事者目録(原告・被告の氏名、住所、連絡先)
- 証拠書類(1から通し番号を付けて整理)
- 添付書類目録(証拠書類と番号を一致させる)
- 手数料(収入印紙)と予納郵便切手
手数料の額は訴額によって異なります。収入印紙を訴状に貼り、予納郵便切手を添えます。切手の額は裁判所の案内で確認してください。手数料が不足していると、補正を求められ、納付するまで受理されません。
よくある補正の理由:ここを間違えると受理されない
訴状が受理されない理由には、次のようなものがあります。
- 収入印紙による手数料の納付が不足している。
- 訴状に署名がない。
- 当事者の氏名または住所が特定できず、送達できない。
- 請求の趣旨が不明確で、何をいくら求めるのかが読み取れない。
- 管轄のない裁判所に提出している。
- 添付書類の番号が本文の記載と一致していない。
- 日本語以外で作成され、翻訳文が添付されていない。
これらの理由に当てはまると、裁判所から補正を求められます。補正が済むまで受理されないので、事前にチェックリストを確認しましょう。
手続きを進める前に確認すること
訴状を書く前に、以下の点を確認してください。
- 請求額が60万円以下か、140万円以下かを確認し、どちらの手続きを使うか決める。
- 被告の住所を正確に把握する。送達先として必要です。
- 証拠書類を整理し、番号を付ける。
- 提出先の簡易裁判所が管轄を持つか確認する。
- 手数料と予納郵便切手の額を、裁判所の案内で確認する。
裁判所から事件番号が通知されるまでは、訴状の事件番号欄は空欄にしておきます。受理印のある控えを受け取り、以後の書面には事件番号を記載します。
まとめ:2つの道を理解して、正しい書類を準備しよう
簡易裁判所に訴状を出すには、少額訴訟と通常の民事事件の2つの道があります。あなたの請求額と、事実関係の複雑さに応じて、どちらを選ぶかを決めます。どちらの手続きでも、訴状の書き方と必要書類はほぼ共通ですが、請求の原因の書き方に違いがあります。
この記事で紹介したチェックリストを参考に、書類を整えてください。裁判所の手続きは変更されることがあるので、必ず最新の案内を確認しましょう。あなたの請求がスムーズに受理されることを願っています。
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よくある質問
少額訴訟と通常の民事事件では、訴状の書き方はどう違いますか?
少額訴訟では請求の原因を簡潔にまとめ、1回の期日で審理できるようにします。通常の民事事件では、事実の経過を日付順に詳しく記載します。どちらも請求の趣旨は具体的に書きます。
訴状に署名がないとどうなりますか?
署名のない訴状は受理されず、補正を求められます。署名欄には自筆で署名してください。
手数料はどのように納めますか?
手数料は収入印紙で納め、訴状に貼ります。額は訴額によって異なるため、裁判所の案内で確認してください。不足していると補正を求められます。
証拠書類はどう整理すればよいですか?
証拠書類は1から通し番号を付けて整理し、添付書類目録に番号と名称を記載します。番号が本文の記載と一致しないと補正の対象になります。
公式情報
- 民事訴訟法 (Civil Procedure Act), articles 133, 368 and 375 2026-10-19
- 民事訴訟規則 (Civil Procedure Rules), article 53 (particulars of a complaint) 2026-10-19
- 裁判所法 (Court Act), articles 33 and 74 (language used in court) 2026-10-19
- 民事訴訟費用法 (Civil Procedure Costs Act): revenue stamps and prepaid postage stamps 2026-10-19
裁判所の手続きに関する一般的な情報です。法的助言ではなく、弁護士と依頼者の関係を生じるものではありません。規則は変わります。提出前に裁判所の最新の案内を確認してください。