- 01収入印紙は訴額ごとの正確な額を貼り、不足があれば納付まで受理されない
- 02署名は必ず自筆で、被告の住所は登記や内容証明で特定して送達不能を防ぐ
- 03請求の趣旨は具体的な金額で、添付書類の番号は目録と本文で完全一致させる
玄関先の契約から未払いへ ある秋の午後の相談
インターホン越しに「近所で工事中なので足場が余っています」と声をかけられ、屋根の塗装を依頼した。着手金として30万円を支払ったきり、業者は姿を消し、電話もメールも返ってこない。10月半ば、寒くなる前に直したいと焦る気持ちで簡易裁判所の窓口へ向かったものの、訴状の不備で受付されず、帰路につくことになった。
訴状が受理されない5つの典型ミス
裁判所の事務手続きでは、形式的な不備があると「補正命令」が出され、修正して再提出するまで事件番号が付かない。リフォーム営業 飛び込み 取れる 人と検索してこのページにたどり着いた方の多くは、初めて自分で訴状を書く。以下の5つは、実際に窓口で戻される頻度が高い項目だ。
ミス1:収入印紙の不足 金額確認を怠る
訴額に応じた収入印紙を訴状に貼らなければならない。請求額が60万円以下の少額訴訟なら、訴額10万円まで1,000円、20万円まで2,000円、以下10万円ごとに1,000円ずつ加算される。例えば45万円の請求なら4,000円分が必要だ。金額を間違えて3,000円分しか貼っていないと、不足分の1,000円を納付するまで受理されない。裁判所の案内や「民事訴訟費用法」の早見表で最新の料率を確認してから購入する。
ミス2:署名欄が空白 自筆でないと補正になる
訴状の末尾にある署名欄は、原告本人が自筆で署名しなければならない。パソコンで名前を打ち込んで印刷しただけでは「署名がない」とみなされ、補正命令の対象になる。印鑑証明書の添付は不要だが、実印で押印する習慣がある場合でも、署名自体は自書が原則だ。代理人弁護士がいない本人訴訟では、自分でペンを持って書くことを忘れない。
ミス3:被告の住所が特定できない 送達不能の壁
被告の氏名・住所が特定できないと、裁判所からの書類が届かない(送達不能)。飛び込み営業の業者は名刺だけで会社名と携帯電話番号しか分からないことが多い。法人なら法務局の登記事項証明書で本店所在地を取得できる。個人事業主なら、契約書や請求書に記載の住所、あるいは内容証明郵便を出して返送されなかった宛先を証拠にする。住所がどうしても分からない場合は、公示送達の要件を満たせるか事前に書記官に相談する。
ミス4:請求の趣旨が曖昧 「適正な金額」では通らない
請求の趣旨は「被告は原告に金○○円を支払え」のように、具体的な金額を書かなければならない。「適正な損害賠償を支払え」「誠実な対応を求める」といった表現では、何をいくら求めているのか裁判所が読み取れず、補正を求められる。請求額の内訳(着手金30万円、追加工事費15万円、遅延損害金など)を請求の原因で説明し、趣旨では合計額を明記する。
ミス5:添付書類の番号不一致 目録と本文が食い違う
証拠書類には1から通し番号を付け、添付書類目録にも同じ番号で一覧を作る。本文中で「甲第1号証(契約書)」と書いておきながら、目録では「第1号証 見積書」になっていると、番号の不一致として補正対象になる。ページ数の多い証拠は枝番号(甲第1号証の1、甲第1号証の2)を使い、目録側でも合わせる。提出前に目録と実物を突き合わせて確認するひと手間が、再提出を防ぐ。
提出前のセルフチェックリスト
- 訴状1通と被告の人数分の写し、裁判所用1通を揃えたか
- 収入印紙は訴額に応じた正確な額を貼ったか
- 予納郵便切手は裁判所指定の額面・種類で用意したか
- 当事者目録に原告・被告の氏名・住所・連絡先を漏れなく記入したか
- 請求の趣旨は「被告は原告に金○○円を支払え」と具体的か
- 署名欄に自筆で署名したか(印刷文字ではないか)
- 添付書類に通し番号を付け、目録と番号が一致しているか
- 用紙はA4、余白2.5cm、12ポイント、1.5行間、段落番号は1.から通しか
書類一覧の整理表
| 書類 | 部数 | 備考 |
|---|---|---|
| 訴状(原本) | 1通 | 署名済み |
| 訴状の写し | 被告数+1通 | 裁判所用含む |
| 収入印紙 | 必要額分 | 訴状に貼付 |
| 予納郵便切手 | 裁判所指定分 | 封筒に同封 |
| 当事者目録 | 1通 | 住所特定の根拠メモ添付可 |
| 添付書類目録 | 1通 | 番号・タイトル・ページ数 |
| 証拠書類(契約書・請求書・写真・メール等) | 各1式 | 通し番号付け済み |
迷ったら窓口かガイド付きフローで確認を
ルールは改正されることがあり、裁判所ごとに運用の細部が異なる場合がある。提出直前には最寄りの簡易裁判所の民事受付か、裁判所ウェブサイトの「訴状の書き方」ページで最新の様式・切手額を確認する。自分で準備を進めるなら、ガイド付きの準備フローを使うと項目ごとの確認漏れを減らせる。証拠の整理に不安がある場合は、リフォーム業者トラブルの証拠ファイル作成ガイドも参照するとよい。
少額訴訟の手順全体を順番に知りたいときは、少額訴訟の手順解説が役立つ。支払督促という選択肢も検討するなら、支払督促の申立て流れを比較してみると早い。
提出前に書式を確認する
お住まいの地域の裁判所が求めるものと、準備済みパッケージの内容を確認できます。
よくある質問
訴状の署名は印鑑証明書が必要ですか?
本人訴訟では印鑑証明書の添付は不要です。署名欄に自筆で名前を書けば足ります。実印で押印する習慣があっても、署名自体は自書が原則です。
業者の住所が分からないときはどうすればいいですか?
法人なら法務局で登記事項証明書を取得します。個人事業主なら契約書・請求書の住所や、内容証明郵便を出して返送された宛先を証拠にします。どうしても不明なら公示送達の要件を書記官に相談してください。
収入印紙を貼り忘れたまま提出したらどうなりますか?
不足額分の補正命令が出され、納付するまで事件番号が付かず審理は始まりません。窓口で指摘されればその場で購入して貼り直せますが、郵送提出の場合は書類が戻ってくるため時間をロスします。
添付書類の番号を後から修正できますか?
補正命令で番号の不一致を指示されたら、目録と実物の両方を修正して再提出します。最初から通し番号を振って目録と突き合わせておくと、再提出の手間を防げます。
公式情報
- 民事訴訟法 (Civil Procedure Act), articles 133, 368 and 375 2026-10-19
- 民事訴訟規則 (Civil Procedure Rules), article 53 (particulars of a complaint) 2026-10-19
- 裁判所法 (Court Act), articles 33 and 74 (language used in court) 2026-10-19
- 民事訴訟費用法 (Civil Procedure Costs Act): revenue stamps and prepaid postage stamps 2026-10-19
裁判所の手続きに関する一般的な情報です。法的助言ではなく、弁護士と依頼者の関係を生じるものではありません。規則は変わります。提出前に裁判所の最新の案内を確認してください。