- 01訴状には当事者・請求の趣旨・請求の原因を必ず記載し、自筆署名をする。
- 02証拠書類は通し番号を付け、訴状の本文と一致させる。
- 03収入印紙と予納郵便切手は不足すると受理されないので、事前に裁判所で確認する。
未払い請求を裁判に出す前に
フリーランスの請求書が3か月分未払いで、先方からは「今月には払う」と言われたきり。メルカリの取引で相手が商品を送ってこず、返金にも応じない。こうした状況で、話し合いが行き詰まったら簡易裁判所への提訴が選択肢になります。
ただし、裁判所に出すのは「訴状」だけではありません。請求の趣旨、請求の原因、証拠書類、収入印紙、予納郵便切手――それぞれの書類が役割を持ち、一つ欠けても受理されません。この記事では、未払い請求を裁判で進めるときに必要な書類一式を、実際に提出する順番で説明します。
訴状の書き方:基本3点セット
訴状には、当事者、請求の趣旨、請求の原因の3つを必ず記載します。これらは民事訴訟規則第53条で定められた必須事項です。
当事者は、原告(あなた)と被告(相手)の氏名・住所を特定します。法人なら商号と本店所在地です。請求の趣旨は「被告は原告に金◯◯円を支払え」のように、求める結論を具体的に書きます。請求の原因は、なぜその金額を請求できるのかを時系列で説明します。
訴状の最後には自筆で署名します。印鑑は必須ではありませんが、署名がないと受理されません。
書類一式のチェックリスト
提出前に、以下の書類が揃っているか確認しましょう。
- [ ] 訴状1通(原本)
- [ ] 訴状の写し(被告の人数分+裁判所用)
- [ ] 当事者目録(原告・被告の連絡先を記載)
- [ ] 収入印紙(訴額に応じた額)
- [ ] 予納郵便切手(裁判所の案内で額を確認)
- [ ] 証拠書類(通し番号を付ける)
- [ ] 添付書類目録(証拠の一覧)
収入印紙の額は民事訴訟費用法で決まりますが、具体的な金額は裁判所の窓口やホームページで確認してください。予納郵便切手も同様です。不足すると補正を求められ、受理まで時間がかかります。
証拠書類の整理:通し番号のルール
証拠書類は、1から通し番号を付けます。契約書、請求書、メールのやり取り、振込記録など、未払いを証明するものを時系列に並べます。
番号は、訴状の「請求の原因」の中で「甲第1号証」のように引用します。本文と番号が一致しないと、補正の対象になります。
添付書類目録には、各証拠の簡単な説明とページ数を書きます。これが裁判官の最初の案内役になります。
提出先の裁判所:管轄の確認
簡易裁判所に提出するのが原則です。訴額が60万円以下なら少額訴訟を選べますし、140万円以下なら通常の手続きで簡易裁判所が扱います(裁判所法第33条)。
管轄は、被告の住所地か、契約の履行地などのいずれかを選べます。誤った裁判所に出すと移送や却下の手間が生じるので、管轄表を確認しましょう。
少額訴訟は原則1回の期日で審理されるため、書類の整い方が勝敗に直結します。通常の手続きでも、初回期日までに証拠が揃っていないと、準備に時間がかかります。
手数料と切手:現金では払えない
裁判所に払うのは、収入印紙と予納郵便切手です。現金での支払いはできません。
収入印紙は訴状に貼ります。予納郵便切手は、被告への送達や裁判所からの連絡に使われます。切手の額は、送達回数や書類の量で変わります。
法務局や郵便局で売っていますが、裁判所の案内で必要な額を確認してから購入してください。不足分は補正命令で納付を求められます。
提出後の流れ:送達と期日
訴状を提出すると、裁判所が被告に訴状の写しを送達します。この送達に予納郵便切手が使われます。被告が答弁書を出せば、期日が指定されます。
少額訴訟では、原則として1回の期日で審理が終わります。期日には、証拠の原本を持参します。コピーだけでなく、原本が必要です。
送達ができない場合(住所不明など)は、裁判所から補正を求められます。当事者目録の住所は正確に書きましょう。
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よくある質問
未払い請求で裁判を起こすには、いくら費用がかかりますか?
収入印紙(手数料)と予納郵便切手が必要です。具体的な額は訴額と裁判所の案内で異なります。窓口または公式サイトで確認してください。
訴状に添付する証拠は、コピーでいいですか?
提出時はコピーで構いませんが、期日には原本を持参する必要があります。証拠は通し番号を付けて一覧表を作りましょう。
少額訴訟と通常の訴訟、どちらを選ぶべきですか?
訴額が60万円以下なら少額訴訟を選べます。原則1回の期日で終わるので、書類をきちんと揃えられるなら有利です。ただし、相手が争う場合は通常の手続きに移行する可能性があります。
訴状に署名を忘れたらどうなりますか?
署名のない訴状は受理されません。裁判所から補正を求められるので、その際に署名を追加します。提出前に署名欄を確認しましょう。
公式情報
- 民事訴訟法 (Civil Procedure Act), articles 133, 368 and 375 2026-10-19
- 民事訴訟規則 (Civil Procedure Rules), article 53 (particulars of a complaint) 2026-10-19
- 裁判所法 (Court Act), articles 33 and 74 (language used in court) 2026-10-19
- 民事訴訟費用法 (Civil Procedure Costs Act): revenue stamps and prepaid postage stamps 2026-10-19
裁判所の手続きに関する一般的な情報です。法的助言ではなく、弁護士と依頼者の関係を生じるものではありません。規則は変わります。提出前に裁判所の最新の案内を確認してください。