- 01契約・金額・支払い・催促の4束に分け、添付書類を1から通し番号で並べる。
- 02ファイル名は「日付_相手_内容」でそろえ、訴状の段落番号と添付番号を一致させる。
- 03提出前に署名、当事者目録、手数料(収入印紙)、予納郵便切手、管轄を確認する。
リフォーム業者に完成報告のメールを送ったのに返金されず、窓口の電話番号も繋がらなくなった。そんなとき、証拠の束を抱えて簡易裁判所に行き、支払督促の申立てを検討する人がいます。申立書そのものと同じくらい、添付する証拠書類の並べ方が手続を左右します。
支払督促の申立てで証拠を読む場面
支払督促の申立てでは、裁判所は申立書に書かれた請求の趣旨と請求の原因を確認します。金額がいくらで、なぜ払われるべきなのかが、書類の並びから読み取れる必要があります。証拠は「あったから」とではなく、事実の経過の各段階を裏付ける役割で付けます。
弁護士に頼らず自分で進める場合、裁判所が読みやすい形に整える作業を省略しないこと。規則や様式は変わることがあるため、提出前に裁判所の現在の案内と係員の説明を確認してください。
証拠ファイルに残す書類
まず、手元にある資料を次の4束に分けます。束ごとにコピーを1セット作り、原本は控えとして保管します。
- 契約・約束が分かるもの:見積書、契約書、打ち合わせのメモ、LINEやメールのやり取り
- 金額と支払期日が分かるもの:請求書、納品書、領収書、振込先を知らせる画面
- 払った・払えなかった記録:振込明細、支払い確認メール、未入金を示す通帳やアプリの履歴
- 催促の経過:督促状、送付の記録、返信がないことが分かるメール一覧、電話番号の不通が分かるメモ
印刷前に通し番号を付ける
添付書類は1から通し番号で整理し、添付書類目録を付けます。本文の「甲第1号証」のような参照と、実際の資料の番号が食い違うと補正の対象になります。番号は資料の左上など、ページをめくった瞬間に見える位置に付けてください。
ファイル名は「日付_相手_内容」でそろえる
紙も電子も、同じ規則で名前を付けると探す時間が減ります。例:20260901_業者A_請求書.pdf、20260910_業者A_催促メール.pdf、20260915_振込明細_該当分.pdfのように、日付・相手・内容の順でそろえます。日付が不明なら、ファイル名に「不明」と入れ、別紙に分かった範囲で書きます。
複数ページを1つのPDFにまとめる場合は、資料の切れ目が分かるよう、元の番号が消えないようにしてください。スマホのスクリーンショットは、送信元のアドレスや日時が画面に入っているかを確認します。
裁判所が実際に読む順序
裁判所の目線では、次の順に資料を追いかけます。
- 誰が誰に、いくら請求しているのか(当事者目録と請求の趣旨)
- どんな取引や約束だったのか(契約・請求の原因)
- 支払期日にいくら未だ払われていないのか(請求書・振込記録)
- いつ催促し、それでも払われなかったのか(督促の記録)
この順が崩れていると、裁判所は資料を行ったり来たりしながら読むことになります。番号を付けるだけで、事実の経過が一本の線にまとまります。
訴状と証拠の接続を確認する
訴状には、当事者、請求の趣旨、請求の原因を書き、署名欄には自筆で署名します。請求の趣旨は「被告は原告に金◯◯円を支払え」のように、求める結論を具体的に書きます。訴状の段落番号は1.から通し番号とし、添付書類の番号を本文から辿れるようにします。
A4用紙、余白2.5cm、12ポイント、1.5行間が基本の体裁です。訴状の写しは被告の人数分と、裁判所のための1通を用意し、当事者目録に原告・被告の氏名、住所、連絡先を記載します。手数料(収入印紙)は訴額に応じて貼り、予納郵便切手は裁判所の案内で確認してください。規則が変わることがあるため、提出前に裁判所の現在の案内を優先します。
受理されないときに出やすい不備
- 収入印紙による手数料の納付が不足している
- 訴状に署名がない
- 当事者の氏名又は住所が特定できないため送達できない
- 請求の趣旨が不明確で、何をいくら求めているか読み取れない
- 訴額又は被告の住所地に照らして管轄のない簡易裁判所に提出している
- 添付書類の番号が本文の記載と一致していない
郵送やアプリの記録の扱い
メールは、送信元・宛先・日時・件名が分かる形で印刷します。会話の一部だけ切り出すと、前後の流れが分からないため、必要範囲をまとめて1つのPDFにします。アプリのチャットは、アカウント名や日時が見える画面と、会話全体の流れの両方を残します。
郵送物は、封筒の宛先面と同封物を一緒にスキャンし、発送の記録があれば添えます。電話の記録は、日付・相手・用件・結果を自分が書いたメモにし、通話時間や不通だった回数など、確認できる範囲だけ書きます。
少額訴訟と支払督促を分けて考える
少額訴訟は訴額60万円以下の金銭請求を対象とし、原則として1回の期日で審理される手続です(民事訴訟法第368条・第375条)。簡易裁判所の事物管轄は訴額140万円以下の請求であり、少額訴訟を使わない場合は通常の訴訟手続になります(裁判所法第33条)。支払督促の申立てを検討する段階で、どの道にするかは、金額・相手の住所・証拠の見え方で変わります。
手続の選び方に迷うときは、簡易裁判所に訴状を出す前に確認する2つの道を参照してください。少額訴訟の訴状の書き方は、少額訴証の訴状、裁判所が求める項目と理由に整理しています。証拠の並べ方全般は、貸金返還 請求 自分で:証拠の整理が鍵も役立ちます。
提出直前のチェックリスト
- [ ] 請求の趣旨が「いくら・誰に・何のために」まで書けている
- [ ] 添付書類が1から通し番号で、目録と本文の番号が一致している
- [ ] 証拠の日付が古い順、新しい順のどちらかにそろっている
- [ ] 訴状に署名があり、写しと当事者目録が揃っている
- [ ] 手数料(収入印紙)と予納郵便切手を裁判所の案内で確認した
- [ ] 管轄の簡易裁判所を、訴額と被告の住所で確認した
提出前に、準備の流れを確認すると、この分野の記事一覧から関連する手続を読み返すと、抜け漏れを見つけやすくなります。証拠の整理は、裁判所に渡す前に一度、机から離れて見直してください。
証拠は多ければよいわけではありません。請求の原因から未払い、催促までの順に、番号が食い違いなく並んでいることが基本です。手数料や様式、手続の運用は変わることがあるため、提出先の簡易裁判所の現在の案内と、必要な場面では裁判所書記官の説明を優先してください。
提出前に書式を確認する
お住まいの地域の裁判所が求めるものと、準備済みパッケージの内容を確認できます。
よくある質問
支払督促の申立てでは、どんな証拠を添付するべきですか?
契約や約束、金額と支払期日、未払いの記録、催促の経過が分かる資料を揃えてください。資料は1から通し番号で整理し、添付書類目録を付けます。必要な資料の範囲は案件ごとに異なるため、裁判所の現在の案内で確認してください。
メールやLINEの画面はどう保存すればよいですか?
送信元・宛先・日時・件名が見える形で印刷し、必要範囲を1つのPDFにまとめてください。会話の一部だけ切り出すと流れが分からなくなるため、前後のやり取りを残します。アカウント名や日時が画面に入っているかも確認してください。
添付書類の番号と訴状の番号が違うとどうなりますか?
番号の不一致は補正の対象になることがあります。提出前に、本文の参照と実際の資料の番号が一致しているか照合してください。不一致を見つけたら、番号を付け直してから提出します。
少額訴訟と支払督促、どちらにすればよいですか?
少額訴訟は訴額60万円以下の金銭請求を対象とし、原則として1回の期日で審理されます。支払督促は、申立てに基づいて裁判所が手続きを進めるもので、選択は金額・住所・証拠の見え方で変わります。判断に迷う場合は、簡易裁判所に現在の案内を確認してください。
公式情報
- 民事訴訟法 (Civil Procedure Act), articles 133, 368 and 375 2026-10-19
- 民事訴訟規則 (Civil Procedure Rules), article 53 (particulars of a complaint) 2026-10-19
- 裁判所法 (Court Act), articles 33 and 74 (language used in court) 2026-10-19
- 民事訴訟費用法 (Civil Procedure Costs Act): revenue stamps and prepaid postage stamps 2026-10-19
裁判所の手続きに関する一般的な情報です。法的助言ではなく、弁護士と依頼者の関係を生じるものではありません。規則は変わります。提出前に裁判所の最新の案内を確認してください。